車いす講演会「車いす自由自在!」を開催しました

3月21日(金)にNPO法人工房あかねにて、車いす講演会「車いす自由自在!〜車いすインストラクター岡野さんがやってくる〜」が行われました。車椅子インストラクターの岡野善記さんを講師にお招きし、大人15名、子ども12名が参加しました。

昨年に引き続き2回目となった今回は、車椅子の乗り方や機能などを中心にお話を伺いました。岡野さんは、株式会社766(ナナロクロク)を2011年に創業し、車いすを中心とした福祉用具の開発・輸入・販売を行っています。そんな岡野さんにお持ちいただいた車いすはオーダーメイドで体にフィットし、長時間座っていても疲れないそうです。

また、車輪が簡単に取り外せる車いすや子ども用車いす、電動スタンドアップ車いす(起立機構つき車いす)など、色々な種類の車いすを紹介していただきまいた。

特に、電動スタンドアップ車いすは、初めて見る方も多く座位から立位へ移動する際には驚きの声も上がりました。座位状態から立位状態へと身体の姿勢を変えられることにより、座位姿勢では出来なかった行動や作業をすることができ、調理師や指揮者等、立って仕事をする方が使用しているそうです。

試乗された方は「普段の目線より高くなるので少し怖いです。」ともおっしゃっておりましたが、利用者の気持ちを知ることができ貴重な体験となり、車いす利用者の仕事や生活状況の理解を深めることができました。

また、雪道にも対応できるチェーンやドリンクホルダー、荷物置き用のスタンドなど、自立をサポートする機能的な車いすグッズも沢山紹介されました。
雪国では車いすにチェーンを付け、シャベルを片手に雪をかきながら進む、車いす利用者もいらっしゃるとの話には皆驚いていました。講師の岡野さんは、チェアスキーが趣味で雪の日でも出掛けられるそうです。

勿論、車も運転されています。(車内には、色々な種類のチェアスキーの板が載っていました。)また、岡野さんは買い物の時には、お米も購入され車いすは結構重たいものでも大丈夫!!と私達の想像を超えた量のお買い物もされていました。

試乗体験の前には、車いすのこぎ方、電動アシスト・電動車いすの操作の仕方、段差の乗り越え方等を教えていただきました。
試乗体験した子ども達も車いすに乗って動き回り、すぐに段差越えをマスター!とても楽しそうでした。また、車いすの方への介助法も教わり、段差を上ったり下りたりする時の注意点や転倒防止装置の注意点を教わりました。
転倒防止装置は、段差がないところでは安心だが、万全ではない。上の段にいる時は、機能をはたさなくなる為危険であることを教えていただきました。

また、車いす利用者の中には、突然後ろから押されて驚いた方もいるとのお話もあり、全ての車いす利用者さんが助けをも求めているわけではないことや、介助する際は必ず声を掛けること等を教えていただきました。

スウェーデンでは、車いす利用者の方が街を歩いていても全く気にする方はいないが、階段前などで困っているとすぐに助けに来てくれるそうです。
岡野さんは、スウェーデンにいる時は、自分が障がい者であることを忘れられるが、日本に戻ってくると障がい者であることを思い知らされると話していらっしゃいました。

参加者からは
「車椅子の方が困っていなければ、助けはいらないという言葉が印象的でした」
「日本とスウェーデンでは福祉に対する考え方が大分違うことがわかりました」などの感想が寄せられました。

今回の講演や交流を通じてお互いの理解がもっと深まり、日本もスウェーデンの様に障がいのある方々も自然に暮らせるような国になると良いなと感じました。

岡野さんを囲んでお話を伺いました。


体に合わない車椅子は、乗りづらいことを分かり易く説明。

座位から立位に変わる車いすを紹介。試乗もしました。

子ども達も電動車いすを初体験。

前輪を上げて段差を上る体験をしました。

車いす用の布製チェーンの紹介。

最後に岡野さんと記念撮影。