「ふーどの牛肉学習会」を開催しました。

2月17日(火)前橋市第4コミュニティセンター(前橋市日吉町)において、パルシステム群馬商品テーマグループが主催する「ふーどの牛肉学習会」を開催し、組合員13名、役職員12名の合計25名が参加しました。

講師を務めたのは、(株)パルミートの加藤龍一さんと榛澤牧場(釧路:ふーどの牛肉生産者)の榛澤保彦さん。またパルシステム産直事業部やホクレンの方々にもご協力いただきました。

前半は、講師の方々による講演が行われました。先に「日本の肉牛生産における現状と課題」について話しをしたのは加藤さん。

「国内の肉牛生産品種は、黒毛和種・交雑種・ホルスタイン種が中心で効率を追及した品種改良により、消費者は霜降り牛肉生産や安定乳牛生産などの恩恵を受けてきましたが、一方本来、草食動物である牛に高カロリーの飼料を与えることで、抗生物質を必要とする生産となり、さらに輸入穀物に依存せざるを得ない状況にあります。パルシステムのふーどの牛肉は、祖飼料でも太りやすく、放牧に適しているアンガス種、またはアンガス系統種※での肉牛生産に取り組み、本来の牛のあるべき姿を活かし、国内飼料自給率100%で資源循環・環境保全型農業を実現しています」。

ふーどの牛肉の飼料は、「自給飼料の積極活用(牧草・デントコーン)、食品副産物の有効活用(じゃがいも粕・ビール粕・おから等)、遺伝子組換え作物の排除、抗生物質不使用」であり、生産者は地域の特性に合った飼料を使っているようです。
※生産の大部分はアンガス種(純血種)ですが、過去の繁殖等において別の品種が掛け合わされる事例もあるため、産直協議会ではアンガス血統が50%以上であることを「ふーどの牛肉」の条件と内規しています。

日本の畜産にぶつける疑問は榛澤さんも同じ。43歳のとき、北見市での電機関係の自営の仕事から、効率ばかりを追求した肉牛生産や農薬・化学肥料頼りの農業の現状に疑問を感じ、樺澤さんは釧路での牧場経営へ転進しました。

「できるだけこのような学習会に参加して、肉牛生産の現状を多くの方に知ってもらい、現在の肉牛に関る流通体系を改革したい。いつも利用者からの応援メッセージに励まされています!」と榛澤さん。

最近、息子さんご家族が榛澤さんの熱い思いに共感し、一緒にふーどの牛肉生産をはじめたようです。生産効率の追求や消費者が霜降り肉を求めるあまり、牛の生理機能に無理を強いるような穀物飼料中心の生産となっている現状。それに対する榛澤牧場の取り組みに、今後一層期待ができそうです。

会の後半には、「ふーどの牛肉のおいしさ体験」を目的に試食会を実施しました。

試食用のふーどの牛肉の準備にて、手際の良い包丁さばきを披露した加藤さん。その牛肉を使って、各調理テーブルではフライパン調理と試食を実施。牛肉ブロックを使ったローストビーフの作り方も教えていただきました。

試食では「市販でよくある牛肉の臭みがまったくなく、やわらかく味わいがある」や「市販の牛肉の焼肉は食べられないけど、これなら食べられます!」と、自然な味わいに感動する組合員。

昨年、ふーどの牛肉公開確認会へ参加した組合員の米田さんからは、「日本の国土にあった、ふーどの牛肉の取り組みを多くの組合員さんに理解してもらえるように、今後もがんばってください」と、榛澤さんへ応援のメッセージを送りました。

参加者のみなさんからは、「牛肉が食べられるまでの過程について、今まで知らなかったこと、気がつかなかったことがあり、たくさん勉強させていただきました」、「生産者のみなさんのご苦労、よい牛肉をつくるための努力などがよくわかりました。ふーどの牛肉を注文することで、応援していきたいと思いました」など、たくさんの声があがっていました。

生産者の榛沢さん

みごとな赤身は健康なお肉の証!

参加者みんなで焼きたてをいただきました。

組合員の米田さんにふーどの牛肉公開確認会について発表していただきました。