「東毛酪農工場見学」を開催しました

3月17日(水)、群馬県太田市にある東毛酪農業協同組合(以下、東毛酪農)にて、工場の見学会を開催。組合員さん他20名が参加しました。

東毛酪農の「パスチャライズド牛乳」は、「子供たちに本物の牛乳を飲ませたい」という消費者と酪農家の思いから生まれたもの。パルシステムでの取り扱いはございませんが、組合員さんの中にもファンが多い牛乳です。

当日は、牛乳のラインである、ビンの洗浄から、受乳、貯乳、殺菌、充填、細菌数などの各種検査、出荷までの様子を見学。参加一同で管理の行き届いた様子に感心してしまいました。

牛乳は学校給食にも提供しており、工場では、他に乳飲料やチーズ、バター、ヨーグルト、アイスクリームなども製造しています。

「パスチャライズ」とは、低温で殺菌することで、生乳の成分、風味、栄養、有用菌をできるだけ損なわずに済む殺菌方法。原材料である生乳の鮮度と品質がよくなければ、パスチャライズド牛乳はできないので、東毛酪農では、生産者を限定して生産しています。

※牛乳の殺菌方法は、以下の3種類に分けられ、「高温殺菌」「低温殺菌」をパスチャライズと分類します。
「超高温殺菌」1201℃〜130℃で2〜3秒間殺菌(UHT製法)
「高温殺菌」72℃〜75℃で15秒以上殺菌(HTST製法)
「低温殺菌」62℃〜65℃で30分殺菌(LTLT製法)

※パルシステムのPB(プライベートブランド)である、『こんせん72牛乳』と『酪農家の牛乳』はHTST製法、『いわて奥中山低温殺菌牛乳』はLTLT製法です。

「ノンホモジナイズ」とは、生乳に含まれている脂肪球に圧力をかけて小さく砕いて均質化しないことです。ノンホモジナイズド牛乳の特徴は、何といってもクリームラインと呼ばれる生クリームの層ができること。たんぱく質(ホエータンパク質)が生きていて、栄養吸収率がよく、おいしい牛乳の証なのです。上部の濃厚なクリームを生クリームとして、クリーム層を使用した後の牛乳を低カロリー牛乳として利用したり、ノンホモジナイズド牛乳からは、自家製バターも作ることができます。

また、安全でおいしい牛乳を生産するために、牛たちが食べる餌が重要な役割を担っています。牛の餌は、粗飼料(牧草など)と濃厚飼料(穀類など)に分類され、これらをバランスよく与えることにより乳成分とおいしさを生み出すことができます。

現在は、世界中で遺伝子組み換え(GMO)飼料(※1)が主流となっており、非遺伝子組み換え(Non-GMO)飼料の原料は入手しづらい状況。しかし、東毛酪農の「みんなの根利牧場」と「みんなの牛乳」では、Non-GMO飼料を取り入れています。また、エコフィード(※2)にも積極的に取り組んでいます。

※1 「遺伝子組み換え作物」とは、生産性を上げる目的で、植物の種子にの特定の遺伝子(除草剤に耐性を持つ特性など)を組み入れた種子から栽培された作物のこと。

※2 「エコフィード」とは、食品残さを利用して家畜のえさにすることで、酒粕やおからなどがあります。


今回の見学会では、いろいろな種類の牛乳の飲み比べをさせていただきました。「ビン牛乳」の香りのよさ、サラッとしていながらも濃厚な味に、一同感激!アルプスのハイジや、大草原のローラが飲んでいた味だそうです。

「自分で絞った牛乳、自分で作った牛乳を、自分で飲めるか?」と、いつも心に問いかけながら生産・製造しているという言葉が、とても印象的でした。ビンは、リターナブル(リユース)、フタはリサイクルという環境への配慮も感じられました。

隣接する「ミルクランド」では、工場で製造している商品のほかにも「近くで採って、近くで作って、近くで食べるのが一番!」というこだわりの気持ちが伝わる商品が並んでいます。

ぜひ、みなさんも機会があれば、立ち寄ってみてはいかがでしょうか。


貯乳タンク

ビンの洗浄ライン

講義も受けました

ぼくの名前は“水守純(みずもりじゅん)” きれいな水が入っています