「<産直講座>知りたい!聞きたい!エコシュリンプのこと」を開催しました

6月26日(木)前橋市第4コミュニティセンターで産直講座「知りたい!聞きたい!エコシュリンプのこと」を開催しました。

講師は、(株)オルター・トレード・ジャパン(ATJ)の幕田さんが務め、エコシュリンプとバランゴンバナナについて話がありました。

まずはバランゴンバナナとATJの関係や民衆交易について。1980年代半ば、フィリピン・ネグロス島を飢餓が襲いました。子供たちを二度と飢えさせないというネグロスの人々の切実な思いと、ネグロスの子供たちのために何かできないかという、日本の問いかけから、バランゴンバナナ民衆交易が生まれました。

日本人が好きな味のバナナは現地で好まれない味のバナナだそうです。
バナナは放っておいてもできるというのが現地の人々の常識だったため、日本に出荷するにあたって手入れをすることを知り驚いたのだとか。

昔は石ころを扱うように山奥から引っぱってきたため、皮は傷だらけ。でも皮が厚いので中はきれいだったそうです。今は一房づつ新聞紙に包んで車で運んでいます。

続いてエコシュリンプについて。世界に生息しているエビは3,000種類もおり、日本だけでも700種いるそうです。大きく分けて泳ぐエビと歩くエビに分けられます。エコシュリンプは、インドネシアのジャワ島東部とスラウェシ島南部で生育。海水と淡水が混ざる養殖池では、放流されたエビとミルクフィッシュなどが共存し、広々とした池の中でエサとなるプランクトンや小さい虫を自力で探してたくましく育ちます。川の水が汚いとエコシュリンプにはなりません。

ジャワ島東部では、収穫が終わると池に残った魚やエビを近所の方におすそわけする「ブリ」という習慣があり、地元の方の協力によって水をキレイに保てているそうです。集約型養殖池は海岸沿いのマングローブ林を伐採してつくられ、生産効率を追及するために人口飼料や抗生物質を大量に使用。数年後には土地の不毛化をもたらしました。産地の環境とそこに住む人々の暮らしを犠牲にして私たちはエビを食べていたのです。

オルター・トレード・ジャパンのエコシュリンプ事業は、生産者と消費者が持続的な生産と消費のあり方、地球環境の保全を協力して実現することを目指しています。

お話のあと、バランゴンバナナの試食とエビの食べ比べを行いました。
市販のエビとエコシュリンプは、見た目の違いこそわかりませんが味の違いにびっくり。家ではなかなか食べ比べのチャンスはないので、貴重な体験でした。

参加者からは「カタログだけでは分からない情報がたくさん聞けて、あらためてバランゴンバナナやエコシュリンプの価値を認識しました」「産地への影響を考えると、環境に配慮したものを購入する事の大切さを感じた」との声をいただきました。(参加者のアンケートより抜粋)

今後もパルシステムの商品についての学習会を予定しています。

みなさんお気軽にご参加ください!

参加者の皆さんもメモをとりながら熱心に説明を聞いていました。

幕田さんの分かりやすい説明で、遠い国が身近に感じられました。

左が市販品、右がエコシュリンプ。エコシュリンプは臭みがなく味付けしなくても甘くおいしい。