「産直講座 知りたい!聞きたい!大紀コープファームのこと」を開催しました

9月5日に高崎センターにて、「産直講座 知りたい! 聞きたい!大紀コープファームのこと」を開催いたしました。

ちょうどその頃、台風12号が紀伊半島を襲い、和歌山県、奈良県で大雨が降り甚大な被害がありました。大紀コープファームの所在地が奈良県五條市ということで大変心配しましたが、生産者、会社とも無事が確認さていると聞き一安心。

当日講師でお越しいただいた和田さんのもとには早朝から開始時刻直前まで、取引先の各部署から産地の状況確認や安否確認の問い合わせがひっきりなしだったようです。そんな中でしたが、「台風が来ることより先に、こちらにお邪魔することは決まっていましたから、喜んでお話しさせていただきます」とにこやかに話してくれました。

大紀コープファームは、1992年に和歌山県と奈良県の生産者団体が県をこえてできた団体で、奈良県(大和)と和歌山県(紀州)の頭文字をとって「大紀コープファーム」と命名されたそうです。

梅、柿などを中心に有機、特別栽培農産物の生産に力を入れ、食べる人の安心、安全、健康を、そして、食料自給率を上げるため、また地域の農業の発展を目指して活動されています。
食べる側の健康まで考えて作っていただくとはありがたいことです。

どの農産物も青果としての出荷がありますが、有機、特別栽培を実行すると、どうしてもサイズ、形、色のムラなどが出てしまうそうです。そこで、大紀ファームでは、基準の大きさに満たなかった梅や柿は、さまざまな形に加工し、精魂込めて作った作物を無駄なく使っているということです。

梅の場合には、梅干し、梅ジュース、梅ゼリー、梅エキスなど。梅酢を利用した紅ショウガなどもありました。当日は、ほとんどのものを試食させていただき、梅のいろいろなおいしさを味わうことができました。
柿の場合には、いろいろなタイプの干し柿となるようでした。当日は、柿のしずく、ゆず巻き柿、干し柿ゼリーをいただきました。どれも秋の甘みが凝縮されていておいしかったです。
当日は、柿も梅もとれる時期ではなかったので、青果としての試食はありませんでしたが、たくさんの加工品に出会え、大紀ファームの知恵と努力の味を味わうことができました。

和田さんは、「季節ではないので、実演ができないのが残念です」としながらも、カラーのレシピと一緒に、漬けている段階ごとの梅を用意した説明がありました。
通常の梅干しのほかに、ジップロックで作る梅干しの漬け方、カリカリ梅の作り方もあり、大変参考になりました。

毎年、パルシステムでは“梅を漬けよう”ということで1日電話相談を受け付ける日がありますが、和田さんは相談役としても活躍されているようです。その中でよくある質問なども紹介していただいたので、大変わかりやすくて参考になました。

和田さんのお話の中で印象的だったのが、日本で食べられている梅の6〜7割が輸入物だという現実。なんとか国産を守りたいと考える大紀ファームでは、奈良県の在来種である「林州」という梅を守りたいということでした。加工品のための量産におわれ、外国産や農薬に頼る生産をするのではない農業、在来種を守る農業、それを支えるには、大紀ファームの精神を理解した消費者がたくさん必要だと思いました。

もうひとつ印象的だったのは、梅干し作りの作業工程です。大紀ファームの梅干しは、家庭での漬け方とほとんど同じ。違うのは、漬ける量だけです。畳2畳くらいの広さで深さ2.5mの立方体の穴に梅を塩漬けするのです。その穴は、体育館ほどの広さの建物の中にいくつもあり、(穴と穴の間は50cmくらいに見えました)そこに、梅と塩をほとんど手作業でいれ、漬けていきます。干すのも、しそ漬けするのも、全て手作業でした。量を考えると信じられない作業です。

ビデオを見ているだけで、唾が出てきそうなほどおいしそうな梅干しでしたが、実際の香りの中での作業は大変なものだと想像します。
梅の産地は、「南高梅」で有名な和歌山県が日本一です。そして、実は第2位が群馬(主に白加賀)です。奈良県は第4位ということで、和田さんは「第2位の群馬」ということをかなり意識されていたそうですが、当日の参加者はその意識は全くなく、熱心に梅干しや梅シロップについての日々の疑問を解決できて、大変充実した時間を過ごせました。

梅干が完成するまでの各段階の状態を見本で見比べました。

DVDを交えての産地紹介のほか梅干の漬け方も詳しく説明してくださいました。

参加者全員に、大紀さんから試食品のセットをプレゼント。産直講座ならではの楽しみ。

カタログでおなじみの加工品もそれぞれ試食。梅の様々な味わいが堪能できました。

最後はお楽しみクイズで盛り上がりました。正解者には特製の梅干しをプレゼント。