「田んぼの生きもの調査」を開催しました

商品テーマグループ主催の「田んぼの生きもの調査」が7月14日(土)に行われました。藤岡市にある浦部農園さんの有機の田んぼで調査し、美九里公民館で講義を受けました。参加者は子ども14名を含む8家族。講師は林 鷹央氏(生きもの係り代表・大宮国際動物学校講師・メダカのがっこう・生物多様性農業支援センター指導員)にお越しいただきました。

天気は梅雨の合間の晴れで、気温も高く、田んぼに入るには絶好のコンディションです。入水の前には、林先生から生きものチェックシートの説明と、苗を踏まずにまたぐように、カエルは手を水で濡らして手の温度を下げてから捕まえる等の注意を受けました。水に足を入れると、「冷たい!」「気持ちいい〜」との歓声に近い声が聞こえました。田んぼの水の中を見ながら慎重に慎重に歩いていくと、カブトエビなどが動き出します。みんな真剣に網を入れ、生きものをゲットしていきます。「捕った!捕った!」と大喜びの子どもの声。「ゲンゴロウを捕まえた!」いちばん大きな声で叫んだのは林先生でした。先生は田んぼの生きものだけでなく、頭上を飛んでいく、カラスやムクドリ、畦の植物についてもお話してくださいました。

田んぼから上がると、捕まえた生きものたちの選別が始まりました。ABCの3つのグループに分けていきます。Bグループからはゲンゴロウ、イトアメンボ、タニシなどの6種類、Cグループからはイトミミズ、クモ、巻き貝、ミジンコなどの10種類、体が大きめの生きもののAグループはゼロでした。浦部農園さんの田んぼは有機なので、捕まえた生きものの数も優秀ということでした。

お昼に美九里公民館へ移動して、お弁当を食べ、午後は室内で講義を受けました。 午前中に捕まえたミジンコ、イトミミズ、ゲンゴロウを200倍の顕微鏡で見せていただき、肉眼ではわからない形が確認できました。このような生きものは現代では数が減ってしまいましたが、江戸時代には100種ほどの生きものが田んぼに生息していたということです。

元来、人は河岸のかたわらに生まれた自然なくらしを営んできましたが、昭和50年あたりから、川は曲線からコンクリートで直線に、住居は木造から鉄筋に、動力は牛馬・人力から車や機械、肥料は生きものの糞から化学肥料に…と変化していきました。

その変化の中で、当たり前に田んぼにいたメダカ、タガメ、ヘイケボタルなどが住む場所を追われてしまったそうです。その結果、人に良い影響を与えるものも減ってしまいました。田んぼからのめぐみは米、薬草、雑魚、稲作文化、生きものたち、民謡・民話、風景などたくさんありました。

「田からでるもの」から「でる」を引くと「た・か・ら・も・の」になるという先生のお話が大変印象的で、私たちは、これからも田んぼを大切にして、生きものが住みやすい環境を作り、「たからもの」を取り戻す努力をすることが必要だと実感しました。

アンケートから
・水田の生きもののドラマに感動しました。
・田んぼの中に素足ではいるという素敵な体験ができ、とてもありがたかったです。
・普段は入れない田んぼに堂々と入ることができて子どもたちは大満足でした。
・虫のこと、草木のこと、身近なものなのに全く知らない事がたくさんありました。カブトエビの動きも興味深く、大人もとても楽しい一日でした。

講師の林 鷹央さん。網の使い方の説明です。

林先生を先頭に調査開始。田んぼに堂々と入って生きものを捕れるなんて…興奮します!

獲物に網をそっと近づけて。稲は傷つけないように…。

捕まえた生きものの名前をチェックシートで確認してみます。

分類した生きものを林先生と確認していきます。今日の成果は28ポイント!!

講演会での講義。自分で捕まえた生きものたちの勉強だから、興味津々。学校の授業より、おもしろい!?