家庭の殺虫剤 子どもへの影響は?

「家庭の殺虫剤 子どもへの影響は?」と題し、殺虫剤・農薬について学習会を行いました。講師はライター、(企)里と生きものネットワーク理事長、渋川サポーターくらぶメンバーでもある米田玲子さんです。この学習会は昨年とても好評で、参加できなかった方の要望もあり2回目の開催となりました。会場の高崎センターでは23名の参加者が、「新農薬ネオニコチノイドが脅かすミツバチ・生態系・人間」という冊子を参考に、パワーポイントを見ながら学びました。

家庭の殺虫・防虫剤にはハエ退治用、シロアリ駆除剤、ガーデニング用、タンス・クローゼット用、犬に付ける薬などさまざまありますが、どれも安心して使えるとはいいがたく、強力なものは人への影響も少なくありません。

殺虫剤の多くは虫の神経系に働きかけて殺しますが、人間と昆虫の神経回路のつくりは基本的に同じで人間には脳関門という外界からの異物を防ぐ門がありますが、これが未発達の乳幼児は特に注意が必要です。ミツバチが大量死したことで世界中で問題となったネオニコチノイド系農薬が、最近では家庭用の殺虫剤にも使われています。少ない量で長く効果が続くため農薬として多用されていますが、その使用量が増えるとともに子どもの自閉症、多動性障害、小児がん、喘息などが増加しているというデータもあります。乳幼児のいる家庭では必ず成分を確認して購入する、農薬散布中の畑などに近づかないなどの注意が必要です。
生活の中には殺虫剤・防虫剤のほかにも薬剤・化学物質があふれており、それらの複合作用も心配されます。使わなくて済むものはできるだけ使わず、パルシステムで自然由来のものを選ぶ、身体や子どもに安心な虫よけを手作りする、日本の昔ながらの生活の知恵を活かすなど、工夫することが大切です。

当日は虫除けスプレーのレシピも配られ、学習会後、手作りの虫よけスプレーを参加者全員が試してみました。アロマオイルが入ったすっきりした香りで、みなさん「作ってみたい」と好評でした。地球温暖化にともなってデング熱など心配なことも増えていますが、野外では長そで、長ズボンの着用など適切な対処をしたうえで、安心な殺虫剤・防虫剤を使いたいものです。

----------------------------------
・参加者のアンケートより
「最近のニュースにもなっていたネオニコチノイドの事などで、知りたかった情報をたくさん知ることができ、有意義な時間を持つことができました。ありがとうございました。」「とても参考になりました。一製品だけでも、害があるのに、家の中で多数の製品を使用することで、何十倍にも私たちに負荷がかかっていることを改めて感じました。」等の感想をいただきました。

講師の米田玲子さん
ライター、(企)里と生きものネットワーク理事長、渋川サポーターくらぶメンバーです。

参加者の皆さんは、気軽に購入できる殺虫剤は安全なのか・・・真剣に聞き入っています。

(左)虫よけ(右)虫とりボトル・サンプルで使い心地を試してもらいました。

虫取りの材料は水、消毒用エタノール、アロマオイルなど。