「『内部被ばくを生き抜く』上映会&テーブルトーク」を開催しました

1月30日(金)、運動テーマグループ主催の鎌仲ひとみ監督・「内部被ばくを生き抜く」上映会&テーブルトークが高崎市総合福祉センターにて開催されました。悪天候にもかかわらず、23名の方にご参加いただきました。

東日本大震災により原発が4基が爆発し、放出された大量の放射性物質が環境にまき散らされました。呼吸や汚染食品を通して引き起こされる内部被ばくの危険。私たちはこの内部被ばくの時代をどのように生き抜いたら良いのでしょうか。その思いからこの上映会を企画しました。「内部被ばくを生き抜く」は放射能汚染を受けた世界の現場で医療活動を継続してきた4人の医師にその対処法を問いかけるドキュメンタリー映画です。

映画では医師からの提言がありました。
◆肥田舜太郎/被爆医師
自身も広島で被ばくし、以来一貫して内部被ばく医療に尽力。放射線はDNAを切断し、がんを作る。細胞分裂の盛んな若い細胞ほど、傷つきやすいので、子どもがなにより危険にさらされる。広島では70年たった今も原爆症で苦しんでいる人が10万人もおり、いったん被ばくしたら長い間苦しめられることになる。

◆児玉龍彦/東京大学アイソトープ総合センター長
広島の20倍もの放射性物質がまき散らされた大変;な問題。行政は全力で線量を測定し、除染を徹底すべきである。さらなる問題は膨大なセシウム137を放出したこと。セシウム137は核実験以前は地球上には存在しなかった物で人間が作り出した物質。半減期が30年と長く、長期慢性被害が心配される。

◆鎌田實/諏訪中央病院名誉院長・チェルノブイリ連帯基金代表・日本イラク医療支援ネットワーク代表
チェルノブイリやイラクで白血病やがんの子どもたちのための医療支援を続ける。体内に取り込まれた放射性物質はそこでずっと放射線を出し続け、免疫力を低下させ、次々とこれまでにない症状を生み出す。これからもずっと観察していく必要がある。

◆スモル二コワ・バレンチナ/小児科医
チェルノブイリで臨床医45年。チェルノブイリ事故の影響を受けた子どもたちの医療に献身中。事故後30年の今もベラルーシでは指欠損、ヘルニア、水頭症、内臓異常、未熟児などの子どもが多く生まれている。放射能物質は体内に蓄積し、次世代まで悪影響を及ぼすため、内部被ばくを防ぐことが何より大切。

以上のような提言があり、そこから学んだことは、「線量をきちんと測り安全な食品を選んで使う」「周りの線量を定期的に測定し、高い所は除染し、環境を整える」「測定と除染の徹底で内部被ばくを防ぐことは可能」「内部被ばくしたとしても注意深く良い生活をすることで線量を減らすことができる」ということです。
映画の後は6つのグループに分かれ、軽食をとりながら、テーブルトークを行いました。役員による福島視察・学習ツアーの報告も行われ、その後皆さんから意見、感想等が出されました。映画の上映とテーブルトークで充実した時間となりました。

参加者から
「福島で生き続けることを決めた一家の様子を通して現地の生活の様子がわかりました。」
「人間が作り出したものは、人間が除去できないわけはないという児玉先生の言葉に救われる思いがしました。」
「忘れていた重大な事を思い出す機会となりました。まだ福島で苦しみ、悩み、過ごしている方々を思うと胸が痛みます。」
「交流会でみなさんの想い、不安など語り合えて良かったです。放射能などの問題は話しづらく、こういう交流の場は大事だと思います。」等の感想をいただきました。

映画上映の始まりです

映画上映後、テーブトークを行いました

いろいろな意見が交わされました

役員からの報告もありました